中辻拓実の研究記録
「生命の不思議を解き明かしたい」
生き物はすべて、細胞からできています。
生物の最小単位である細胞の中では多種多様な反応が起こっていて、
そのすべてが連動することで私たちは生きています。
ミジンコからクジラまで、
サイズも、生息地も、寿命も異なる生物が地球上には存在しています。
それらの生物の違いを生み出しているものは何なのか?
それらの生物が共通して持っているものは何なのか?
生物への興味は尽きません
オートファジー:細胞が持つ自己分解機能
生き物にはなぜ寿命があるのか
なぜ生き物は死んでしまうの?
一番最初の疑問であった。
この問いへの一つの解は
細胞にダメージが蓄積し正常な自己複製ができなくなるから
であるようだ。
であればダメージをなくせば永遠に生きられるのでは?
突拍子もない考えだが、実は当たらずとも遠からず。
実はダメージを受けた細胞内成分を分解する機構があり、
寿命の延長にも関わっているという。
『オートファジー』
自らの細胞内成分を分解しリサイクルする生命現象である
この現象を解き明かし、永遠の命を手に入れることを目標に研究を進めていく。
研究内容
オートファジーは真核生物に広く保存されている細胞内分解経路である。細胞内に出現した新たな膜構造が分解対象を包み込み、分解の場であるリソソーム/液胞内へと移動する。
①この膜構造はどのようにつくられるのか?
膜の材料はいつ、どこから、どうやって運ばれるのか?
②分解対象はどのように認識されているのか?
健康な細胞内成分と、分解されるべき成分はどのように識別されているのか?
多くの生物に共通する機構であることから、生物の生存に非常に重要であると考えられるオートファジーだが、そこには未知の領域が広がっている。
近年、疾患の治療やアンチエイジング効果などで注目が高まっているこの現象の
基礎的なメカニズムを解き明かしていく。